「qdc(キューディーシー)」とは中国深センに本拠を置くカスタムIEMブランドで10万、20万の高価格帯のイヤホンを作っている高級メーカー。
そのQDCがエントリーモデルとして昨年7月に1万円台で発売したのが「SUPERIOR」。
「あのQDCのイヤホンが1万円台で購入できる」と注目された有線イヤホンです。
また、SNSでも「価格に対するクオリティが高い」と高評価レビューが多く話題となっています。
「SUPERIOR」はブランド初となる10mm径シングルフルレンジのダイナミックドライバーを搭載しており、幅広い再生音域と、全帯域に渡って自然で調和の取れたサウンドを再生できるとのこと。又、正確な音楽再生を可能とし、過度特性(トランジェント)を重視した設計とチューニングを行ったイヤホンとなっています。
今回、昨年10月に新カラーとして発売されたAzure Blueを入手し、しばらく使ってみたのでレビューします。
製品仕様はこちら。
- 製品名:qdc SUPERIOR
- ドライバー:ダイナミック型(10mm径シングルフルレンジ)
- ドライバー数:1DD / 1ドライバー(片側)
- 形式:密閉型
- 周波数応答範囲:10 40,000 Hz
- 入力感度:100 dB SPL/mW
- インピーダンス16Ω
- 外音遮断:26dB
- ケーブル/プラグ: 高純度無酸素銅4芯ケーブル(約120cm)※ブラックカラーPVC被膜使用。
- コネクター:カスタムIEM 2pin、プラグ(金属スリーブ使用ストレート):3.5mm3極
- 同梱物: SUPERIOR Cable 3.5mm3極アンバランス、 ソフトフィットシリコンイヤーピース3ペア(S/M/L)、 ダブルフランジシリコンイヤーピース3ペア(S/M/L)、 クリーニングツール、オリジナルキャリングケース
質の高いキレイなデザイン
フェイスプレートにはミラーパネルをデザインに組み込んでおり、スタイリッシュな外観に仕上がっています。
光のあたり方によって表面の滑らかな輝きがとてもきれいで高級感がありますよね。
Piano BlackとVermilion Redも同様のデザインとなっているので好みのカラーで選ぶと良いと思います。
シェルについては軽量で非常に快適なフィッティングになっています。
コネクターは汎用性が高いカスタムIEM 2pinコネクターとなっています。ケーブルを変えて音の変化を楽しみたい方には嬉しい仕様ですね。
メタルノズルを採用しており、正確なサウンドをストレートに耳へ届ける仕様となっています。
同梱物は本体、クリーニングキット、シリコンイヤーピース各サイズ、キャリングケース。
シリコンイヤーピースはソフトフィットとダブルフランジの2種類で各3サイズ。調整サイズが多いのはありがたい。
キャリングケースも保護性能が高く、内部にメッシュポケットもついているため、シリコンイヤーピースや他の交換ケーブルなどが一緒に収納できます。
QDCならではのフィット感
QDCは元々フィット感は良い印象がありますが、エントリーモデルのスーペリアもやはりフィット感は問題なく良かったです。
正面から見た場合も耳にフィットしており、飛び出し感がないためすっきりした見た目です。
ケーブルについてはシュア掛けできる型がついているタイプのため、装着した際の安定感がありますね。
価格以上のサウンド
評判通り、コスパに優れた有線イヤホンという印象でした。
中高音の表現も非常に良く解像度が高い印象で、低音もしっかり出ていて、気持ちよく音楽を楽しめます。
また、中高音が強すぎて刺さり過ぎることもなく、低音も強調され過ぎず上品な低音なため、長時間使用していても疲れを感じなかったのが個人的にはgood。
バランスの取れたフラットな音質でややドンシャリ傾向のサウンドといったイメージ。
ただし、音場はそれほど広くない印象なので苦手なジャンルはあると思います。
邦楽・洋楽POPS、EDMなどのジャンルには強くsuperiorの良いところが際立つ印象をうけます。
高域の伸びのある音が好みな方は、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
YouTubeや映画の視聴との相性は非常に良く、効きやすさと迫力のある音で楽しむことができました。
ゲームについてはジャンルを選ぶ印象。
FPSについては足音は聞こえますが、音が近い印象があるため慣れるのに時間がかかると思います。
サウンド重視のRPGや迫力のあるアクションゲームなどとの相性は非常に良かったです。
バランス接続で激変する音質
今回、特に驚いたのはバランス接続での視聴で音質が大きく変わったこと。
そもそもアンバランス接続で既に感動していたのですが、バランス接続で更にこのsuperiorが進化したような印象を受けました。
分離感、解像度が上がり、煌びやかになった印象。
アンバランス時には低域がしっかり表現されている分、少し籠った感じがありましたが、音の空間が広がったような印象を受けます。又、低域の表現はそのままなので迫力のある音や音楽のリズムもしっかり感じることができます。
付属のケーブルは3.5㎜となります。別売りのSUPERIOR Cable 4.4-IEM2pinケーブルを使用することでバランス接続が可能です。
このクオリティで両方セットで購入しても1万円台で収まるのは驚きです。
又、Astell&KernのAK HB1やAK HC4は3.5㎜接続と4.4㎜のバランス接続に対応しているDACとなるため、おすすめです。
ライターから一言
別売りの4.4㎜バランスケーブルを合わせても1万円台という価格で、上質な音で音楽や映画、ゲームが楽しめるコスパの良い有線イヤホンです。初めて有線イヤホンを使ってみたいという方には特におすすめです。