音にこだわりをもった国内発のメーカーNUARL(ヌアール)の人気完全ワイヤレスイヤホン「NUARL N6 Pro2」をレビューします。
ドライバーをパーツ単位から独自に製造して音質を追求したモデルだけあり、音質の評価が非常に高いんです。
実際僕も使ってみて、最初の頃は「確かに音良いけど、超良いかっていうと・・」って感じでしたが、使い続けて2週間くらいすると変化が。
一音一音、音の粒単位で聴き応えのあるリッチな音色にエイジングが進んでいきました。情報量が多く、量感あふれる高音質が耳を幸せにします。まるでたっぷりクリームが入ったシュークリームを頬張ったときのように、口からはみ出るクリームの幸せ感がたまりません。
ちなみに僕は生クリームよりもカスタードクリーム派です。
さて、イヤホンに話を戻すと豊かな音質を実現する独自の設計や筐体デザイン、さらに使い勝手のよい3つの物理ボタンなど普段使いに便利なポイントを多数発見。
ノイズキャンセリング機能に対応していないにもかかわらず、結構なセールスを記録しているのも頷ける満足度の高いイヤホンでした。
さっそく、その魅力に迫っていきましょう。
製品仕様はこちら。
- 製品名:NUARL N6 Pro2
- 型番:N6PRO2-TB、N6PRO2-BR
- JANコード:4560358452358、4560358452365
- カラー:トリプルブラック、ボルドー
- ブランド:NUARL(ヌアール)
- メーカー:エム・ティ・アイ株式会社(東京都豊島区)
- サイズ:イヤホン筐体→W26.0mm×H30.0mm×D20.0mm、充電ケース→W72.0mm×H37.0mm×D38.5mm
- 重量:片耳約7g、ケース約47g
- ボタン操作:物理ボタン
- プロファイル:A2DP、HFP、HSP、AVRCP
- Bluetoothバージョン:5.2
- チップセット:Qualcomm QCC3040
- オーディオコーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
- ドライバー:単層カーボンナノチューブ複合振動板+7N OCCボイスコイル採用ダイナミック型フルレンジNUARL DRIVER[N6]v5Xモジュール
- ドライバー口径:6mm
- 再生周波数帯域:20~20,000Hz
- 連続再生時間(約):SBC・AACの場合→10時間、aptX・aptX adaptiveの場合→8時間
- ケース併用時の最長再生時間:40時間
- ノイズキャンセリング機能:非対応
- 外音取り込み機能:対応
- ゲーミングモード:対応
- ハンズフリー通話:対応(マイクは通話用と外音取り込み用)
- 防水等級:IPX4
- メーカー保証期間:1年間
- 同梱物:「NUARL N6 Pro2」イヤホン本体、充電ケース、USB-Cケーブル、Block Ear+抗菌シリコンイヤピース(S・MS・M・L)、説明書
マットで大人っぽい外観を堪能する
イヤホン筐体と充電ケースのデザインをみていきます。
カラバリはトリプルブラックとボルドーの2色あり、どちらともマットな質感で落ち着いた外観をしています。
大人の男性や女性にマッチする大人っぽいデザインですね。
ケースとイヤホンには光の角度によって見え隠れする『NUARL』のステルスロゴが印字されています。
ブランドロゴの主張が強いデザインが多いですが、これくらいのひっそりデザインされたロゴなら目立たずにシンプルで好みですね。
手にしたときのしっとりとした肌触りが心地よく、機械っぽさを抑えつつ上品なイメージです。
ケースにイヤホンを収める際には、マグネットがサポートしてくれてバチッとハマります。逆さまにして振っても落ちないので、外出中に取り出す際にも安心。
ケースからイヤホンが高めに飛び出しているので、指が滑って取り出しにくいこともありませんでした。冬に手が乾燥しがちな人にもおすすめです。
イヤホンは防水等級IPX4に相当していて、水への耐性があります。雨に振られても、汗をかいても問題なく使えます。
濡れた手でイヤホンを操作する際にも安心ですよ。
バッテリー持ちに関しては、イヤホンのみで連続再生時間は最長10時間。
接続するスマホのコーデックによっても再生時間が変わってきます。SBCとAACなら約10時間、aptXとaptX Adaptiveの場合は約8時間ほど。
僕のようにiPhoneで音楽を聴く場合には、AACコーデックを使うことになるので最長の10時間持ちます。移動時間やテレワーク中などに使うとすれば、十分すぎるバッテリー持ちではないでしょうか。
ケースに入れて充電を繰り返し行う場合には、40時間以上持ちます。通勤通学に使うくらいなら、余裕で1週間持つと思いますよ。
耳穴奥に入り、耳の入り口で固定。ポロッと外れにくく、遮音性は高め
イヤーピースにはメーカーオリジナルの抗菌剤を配合したイヤーピース「ブロックイヤープラス」が付いています。
シリコン製で柔らかく、丸くて開口部が大きめに開いた形状です。単品でも売られているくらいなので、品質の高さがうかがえます。
ステムは長めにとられていて、イヤーピース先端を耳穴奥へ入れるようなイメージで装着します。
また、耳穴入り口にひっかけて固定するイヤーループが設けられていてしっかりホールドしてくれます。ランニングをしても外れにくいので、耳穴の小さな方でも安心ですね。
装着感としてはまずまず快適です。
イヤホン自体に少し重さを感じるものの、耳穴奥にイヤーピースがフィットしてくれるし、加えてイヤーループの固定によって位置ズレもせずに2~3時間ずっと快適に装着できました。
ノイズキャンセリング機能には対応していませんが、遮音性もある程度はあるので、電車移動の際や街中の騒音を適度にカットしてくれます。
左右それぞれに3つ物理ボタンを搭載
スマホの操作には、クリックして操作する物理ボタンを使います。
ボタンは前方側のフロントボタン、中央のメインボタン、後方のリアボタンという構成。完全ワイヤレスイヤホンにしては珍しい一つのイヤホンに対して3つの物理ボタンという構成ですよね。
左右のイヤホン筐体それぞれに3つずつ同じように搭載されています。しかも、片方のイヤホンのみで操作が簡潔するってのも珍しいポイントですね。
物理ボタンなのでタッチパネルよりもはるかに誤操作が起きにくく、それでいて左右のイヤホンのみで操作が簡潔するので、左のボタンをどうのこうの~右のイヤホンをどうのこうの~って覚えるのが面倒なこともなし。
フロント・メイン・リアの操作方法さえ覚えてしまえば、左右どちらからでも同じように操作できます。故に非常に簡単で覚えやすいですね。
さらに良かったのが、ハウジング部分つまり天板に物理ボタンが付いている訳ではなくて、側面に付いています。なので、摘(つま)むようにして操作します。
押し込むようにする従来のイヤホンは耳が圧迫されて不快感を覚える人も多いでしょう。
しかし、イヤホンを上下から摘(つま)む格好になるので、耳へ負担をかけずにストレスなく操作できる点もメリットだと言えます。
具体的なボタン操作の方法を紹介しておきます。
電源ONはメインボタンをワンクリック、電源OFFはメインボタンを5秒間長押しします。音楽再生&一時停止はメインボタンをワンクリック、曲送りはフロントボタンを1秒長押し、曲戻しはリアボタンを1秒長押し、音量アップはリアボタンをワンクリック、音量ダウンはフロントボタンをワンクリックします。
電話がかかってきた際、メインボタンをワンクリックで受電、メインボタンを2秒長押しで着信拒否が可能。
外音取り込み機能の起動にはメインボタンをダブルクリック、ゲーミングモードの起動にはメインボタンをトリプルクリックします。
ちなみに専用アプリから割り当てる操作を変更もできますので、自分が使いやすいようにカスタマイズしてみるのも良いでしょう。
音飛びしにくい安定した接続。さらに、動画やゲームにストレスのない低遅延
最新のBluetooth 5.2バージョン対応なので、屋内屋外問わずに接続が安定していて音が飛びにくかったですね。
僕の自宅で使っている際、壁を挟んで仕事部屋から寝室まで移動しても音が途切れません。
また、屋外に出て音楽視聴しているときにも、新宿駅の混み合うホームだったり、つり革が埋まってしまう車内でもブツブツ途切れることはなかったですね。
左右伝送技術『TrueWireless Mirroring』に対応しています。
Androidスマホだけで使えることが多い技術なんですけど、このイヤホンではiPhoneにも使えるってのが高ポイント。
非常に低遅延で映像コンテンツが楽しめます。さらに、ゲーミングモードも用意されていて、起動すれば圧倒的に低遅延を実感できました。
例えば、YouTubeでテンポの早い漫才を観るとき、芸人さんの口の動きとイヤホンから聞こえてくる音声がほぼ一緒。遅れることなく、シンクロしてます。
映画だったりスマホゲームにも遅延の少なさは威力を発揮してくれます。流れてくるしるしに合わせてタップする系の音ゲーにもストレスフリーでしたね。
好みに合わせてカスタマイズできるアプリに対応
専用のアプリ『N6 Connect』に対応していて、イコライザー・外音取り込み・ボタン操作など好みに合わせてカスタマイズできるのがうれしいんですよね。
外音取り込み機能ではONにしたときに流れている音楽の挙動を選択できます。
「音楽再生に連動しない」「音楽再生音量を下げる」「音楽再生を一時停止する」の3種類から選べるんです。
僕の場合は、音楽をしっかりとめて電車のアナウンスを聞きたいので、「音楽再生を一時停止する」に設定しておきます。
そうすれば電車に乗っているとき、メインボタンをダブルクリックして「外音取り込み機能をON&音楽の一時停止」が行えます。次の駅がどこなのかアナウンスを確認して、ふたたびメインボタンをダブルクリックすれば「外音取り込み機能OFF&音楽の再生」となります。
この使い方が結構便利なので乗り過ごしたくない人にはおすすめですよ。
外音取り込み機能の性能は、そこまで高くはないかなってのが正直な感想。目の前の人との会話や車内アナウンスくらいならしっかり聞こえますが、遠くから近づく車の気配には微妙に気づかないかなって感じ。
他にもイコライザーが「標準」と「フラット」で選べたり、ボタンに割り当てるアクションを変更できたり。
好みの音色だったり、普段からよく使う機能や使いやすいアクションにあらかじめカスタマイズして便利に使ってくださいね。
時間の経過とともにあらわれる豊かな音質
いよいよ目玉の音質をレビューしていきます。
ドライバーには、ダイナミック型をベースにすべてのパーツをオリジナルで製造した『NUARL DRIVER N6v5X(エヌシックスブイファイブエックス)』を搭載。
有線のイヤホンと同様にアナログでチューニングして、さらにデジタルでチューニングしたハードとソフトをあわせたハイブリッドな仕上がりになっています。
しかも、ドライバーとチップをつなぐ線に銀メッキを用いているんです。高価格帯の有線イヤホンに採用されるようなものと同じ配線の素材によって情報量も多いっていうこだわりよう。
それだけでなく、ドライバーを覆う筐体自体も銅で作られていてハリ感のある筐体内部の共鳴も計算された設計なんだとか。
コーデックには、SBC・AAC・aptX・aptX Adaptiveの4種類に対応しています。視聴環境としては、僕が普段から使っているiPhone 13 ProのAppleMusicアプリ内の音源で視聴してみました。
聴いてみると、低音の迫力と高音の突き抜け感が飛び抜けた高音質でした。いわゆるドンシャリで、高域の突き抜け感が強めな印象です。
音の高い解像感を感じてくっきりしています。メリハリのあるシャープな高音と量感のある低音、そして何層にも空間の広がりを感じさせる高音質でしたね。
歌ものなんかだと、中域のボーカルがもっと前に出てきても良いかなって思いましたが、そこもしっかり対策されています。
アプリからイコライザーを『フラット』にすることで一気に中域が前面にプッシュされるような調整ができます。歌声がとてもクリアにくっきり浮かび上がります。
クラシックとかアコースティックな音楽を視聴する際には、楽器の一音一音の音の粒が繊細になり、手にとるようにあらゆる方向から入ってきますね。アナログなライブ感を感じるような音色です。
で、ここからがうなったポイント。視聴して数日は耳に刺さっていたんですが・・2週間くらい使っていくうちにどっしりと安定感のある聴いていて安心するような豊かな音質へとエイジングが進んでいったんです。
ボワつきがなく、ズッシリ腰を据えて音を鳴らしてくれるようなイメージ。異なる音のレイヤーが何層にも重なりあい、見事に調和してまとまりのある音質になります。それによって音場が広くなります。シャープなんだけど、聴き応えのある音質だなぁ~って。
これで1万円中盤ならめちゃくちゃ音質良くてコスパ高いと思いましたね。
通話品質はクリアでなんら聞きにくいことはありませんでした。
マイクにはツインCVCマイクが搭載され、周囲のノイズを低減してくれる性能も持っています。そのため、イヤホン装着者側のこちらの音声も明瞭に通話相手へ届いていました。
スマホでのハンズフリー通話やパソコンでのオンライン会議にも使えるイヤホンだと言えます。
ライターから一言
ドライバーや筐体自体を一から見直して独自に製造した音質。このレベルの高音質なら、かなり安いんじゃないかなって思います。さすがに売れている人気イヤホンだけあり、素晴らしい出来栄えで胸をはっておすすめできる逸品でしたね。